TOKYOポエケット

ポエケットニュース

第七東京ポエケット

第7回ポエケットは2003年7月6日の日曜日に開催されました。例によって日本各地から集まった詩人たち。

24ブースとなりました。今回のゲスト・リーディングは若手詩人グループ対抗として、ポエケットと友好関係を結んでいる京都のぽえざるからリリック・ジャングル、東京はプリシラ・レーベルとラウンド・カッツが登場。

そして、ハワイ留学帰りの宮入恭平&ヤリタミサコ、飛び道具として死紺亭柳竹(松下真己)が吼えました。

やー、楽しかった、すごかった。かなり充実した内容だったと思います。
また昨年の10月は京都の「ぽえむばざーる」、11月は「文学フリマ」と、ポエケットとして参加・交流できたことも良い経験となりました。「ぽえざる」はもともと友好関係を結んでいますが、「文学フリマ」は初めてです。大塚英志の旗振りで始まったこのフリマは今回2回目の開催。出店(プロ、アマ、法人問わずで文学フリマではこう呼ぶ)数は前回よりも多く80以上、来場者は1000人だそうです。すげ〜。ひとつの机に2グループと、販売スペースは少々狭いですが、ごちゃごちゃしていっぱいあるってのは実に楽しいです。あと気づいたのは物販の種類が異常に多いこと。同人誌だけでなく、CDや壁に飾っても楽しくて美しいコママンガ、瓶詰めグッズ、それらが200〜300円で売られているんですね。漫画家大島弓子の評論を一冊にしたところなどは、売り子さんがチビ猫のコスプレをしてます。コスプレはともかく、参考にすることは多々ありました。とりあえずポエケットは「ブース倍増!」でしょうか。(川江)


★陸に上がった電網魚、井戸を飛び出たメカ蛙★

沼谷香澄

会場を出てしばらく感慨に浸ってましたが、まず口をついて出たのが「いや〜ポエケットはやっぱブース出してなんぼのもんやなあ」という言葉でした。あ、私「詩を朗読する千葉県民の会」やってるくらいですから千葉県民ですが、関西暮らしが長いので感極まると関西弁が出ます。私のことはどうでもいいって。ポエケットの話です。去年はベビーカー押しながら客として一回りして、それでもカバンを膨らませて帰りましたが、今年のこの充実感に比べたら去年の経験などなかったも同然です。

ええと、一般的な感想より大事な話、私達はネット詩人を代表してブースを置かせて頂いたのでした。苦労話を聞かせてくれとのヤリタさんのご指示ではありますが、首尾よくいかなかったことは忘れる性質なので、友人達は快く協力してくれました、以上。と書いて終わらせちゃ、いけませんね。そこで。片野家を代表して沼谷がひとことご挨拶申し上げます。

苦労話その1。ほんとはね、いい詩を書く人の個人サイト回りに回ったの。それで、この人いいっ、ネットの外の人にも読んでもらいたいっ、という人にDMを打ちました。ポエケットであなたのサイトを紹介しませんかって。はい、返事は一通も来ませんでした、面識のない人からは。世の中それでいいんだと思います。知らない人について行っちゃいけないってママも先生も教えてくれました。つまり、私の日ごろの交友範囲が狭いことが禍した、ということになります。明日への課題、ともだちひゃくにんつくりましょう。

苦労話その2。前日は二人して完全徹夜しました。片野は承諾を得たサイトをオフラインに取り込み。これがかなり難しかったみたいです。私は、ええと何してたっけ、友人達から預かった冊子・同人誌・URLカードの荷造りをして自分達のサイトのためにカード作ったりアンソロジー印刷したりしてたかな。私の作業は別にネット詩人ならではの苦労じゃないですね。

苦労話その3。ブースに来てくれた人にネットの話は強要できないのです。
「インターネット?いやパソコン持ってないし」といわれたら、用意したノートパソコンもたくさん並んだURLカードもその瞬間に用済みなのです。あとは並んだ冊子をゆびさして「よかったら見て行って下さい」とか一般的な詩人の会話になります。というか自分がネット詩人だってこと現場で忘れていたかも私達。片野と私だけじゃなくて、一緒にブースに入ってくれた大村浩一さんも松岡宮さんもこういう場に出るとネット詩の話よりリーディングの話につい花を咲かせてしまうのでした。と思う。

苦労話その4。パソコンをもっと活用すればよかったなあと。自前のパソコン持参で参加してくれた りっと氏は、上手にやってました。自分のパソコン(私のより画面が大きくて見やすいぞ。嫉妬)の前に人を呼び込んで操作の補助をしながら詩を見せてました。銀行のATMコーナーにいるおじさん(おばさんのこともある)を思い出したのは私だけでしょうねきっと。で、私はといえば、お客さんから見れば机の向こう、パソコンの裏にいながら応対してた。あれはよくなかったね。やっぱ前に出てちゃんと画面を見せないと。WEB女流詩人の会・蘭の会の提供のイメージ広告(カッコイイ)も出番をもっと多くすれば良かったと反省しきり。見栄えはダントツよかったものね。でも見ないで帰った人が大多数と思われ。ごめんなさいみなさん。

というわけで、負けず嫌いな私は、自選集(完売。ヤター)なんぞにかまけてないでネット詩人の広い世界をのぞいてもらう役目を果たしたいと決意を新たにしたのでありました。でも来年のことを言うと鬼が笑うのよねん。いいや笑えるものなら笑ってくれ。味を占めた詩人ほど強いものはありません(なんやそれ)。
(web = http://po-m.com/)


木村ユウさんのサイトから

(初出:http://www.poetry.ne.jp/ の「Event.」欄より)

「ポエケットで詩の世界をかき回したい」これは主宰のお一人でもあるヤリタミサコ氏の言葉である。どこかのサ イトかメルマガでずいぶん前に拝見していた。ロックンロールである。PJもロックンロールだがポエケットもロックンロールだ。TOKYOポエケット(以下ポエケット)は黎明期である。7回も続いているんだからと異を唱える方もいらっしゃるかもしれないが、会場の規模や参加ブースが24ということ、それからなんといってもヤリタ氏の「詩の世界をかき回したい」という言葉を踏まえても、まだまだはじまったばかり、という印象を受けた。

僕がPJをポエケットに参加させた動機はただひとつ。「在庫を捌く」こと。PJの扱っているアイテム数が70種類、全部で400冊近くを全て持っていった。もちろん全部が売れるとは思っていないが、2冊ずつ重ねてあるのと400積んであるのとでは見え方がまったく違う。おかげで運搬に頼んだ軽自動車のサスが耐えきれなくて(本ってほんとに重いのね。積載量完全オーバー)、後輪のタイヤがホイールハウスにあたってしまい、途中でスタッフを一人降ろして何度も詰めなおすはめになった。他にも目玉としてPJ発行のブックレットをこの日に間に合わせて印刷製本し、ブースのディスプレイも人に頼んで製作。つまり「売る気まんまん」で臨んだわけである。

結論からいえば第7回ポエケットは「成功」したんじゃないかと思う。お客様の中には北海道から「急に思い立って」駆けつけてくれた方もいるし、広島からおいで下さった方のために商品もお取り置きをした。要はイベントとしてそれだけ魅力があったわけで、物販イベントだけにするのではなく、リーディングのステージをプログラムに組み込んでいるところも、「お祭り」として効いていたのではないかと思う。  
  しかしながらユーザー(それはブース参加者であってもお客として来ていても)の立場から言えば、ポエケットの存在理由(「行く」理由)はあくまで物販なのである。普段目につかない詩のあれやこれやが「買え」て「売れ」ることがポエケットを利用する目的だ。それに対してブース数が24というのはあまりに少なすぎる。

売る側からすれば買ってくれるお客様がもっと来場してくれなきゃ困るわけだが、こういうイベントに一般(つまりは、同人以外)から集客するのは無理である(だってコミケに一般のお客なんか行かないでしょ? どちらも濃いオタク層が集まる性格のイベントなんだし)。そうすると、購買数を増やすにはブースの数を増やす以外にない。ブース参加者も他ブースで買い物をするし、自分がポエケットにブースを出すとなれば詩の好きな仲間に宣伝するものである。ひとつブースが増えれば客数はかけ算で増えることになる。せめて今の倍以上、詩学社とかrain treeとかガーネットとかそういうメジャーなブースだけではなくて、もっと無名なところからブースを大量に引き出してこなければ、これ以上の拡大は望めない。正直、PJは準備にコストかけすぎたせいもあるけれど、今回ぎりぎり赤字である。かなり売れたにもかかわらず。負担になるだけのイベントだと継続することがつらいわけで、ブース増やして下さいヤリタさん。まだ次までは一年あるし、このブース出 店数増強にはPJとしてもいろいろ協力しあえることがあると思う。
一般のブース(というかなんというか)が盛り上がっていく仕掛けにしないと、ムーヴメントにならないし、会場 が現状ではこれ以上のところが借りられないということであれば、はっきりいってブースの広さは今の半分にしても いいんじゃないかと思う。もっとびっちびちに詰めていい。PJなんか結局全ての詩集が机に載せられなかった。それくらいワンブースの密度を上げていかないと「熱」が発生しない。

それとプログラムにあるリーディング。先ほど書いたように、イベントとしてはあって正解だし、強力な付加価値になっているわけだけど、売る気まんまんのブースからすると「そんなことより売らせてくれ」なのである。誤解がないように言っておくけど、個人的にはすごく楽しんだわけで、プリシラのクオリティ、引き込み度なんか「ああ、やっぱり」という感じでよかったし、死紺亭柳竹氏のリーディングなんか「なんでこの人がもっといろいろな場所でフューチャーされないんだ? それも詩なんていう狭い世界じゃなくて」っていうくらいの面白さで、帰りの車の中でも死紺亭柳竹の話ばっかり、「熱くて、愛があって、捌 けてて、泣けて、死紺亭兄最高! ギャー」とかだったのであるが、店のオヤジとしては「リーディングなんか聞いてる場合じゃないだろ! なんのためにコストかけて準備してきたんだ!」なのである。時間を計算してみると物販が4時間15分、リーディングのステージが1時間5分、こうしてみるとたいした時間じゃないのだが、なにしろステージが始まっちゃうとブースからお客さんから全て静まり返って聴衆になっちゃうものだから、なにもできなくなってしまうわけである。一応主催側から「どうぞ交流は続けて」とのアナウンスが入るが、あの雰囲気でうろうろできる人間はいないと思う。だってステージも面白いんだし。

リーディングのステージは物販会場とは別にするべきだ。例えばすぐ外には他の江戸博物館利用者も使う休憩ホールみたいなのがあったけど、そこでリーディングをできるよう会場側と交渉して下さい。もしそうすれば、ポエケット来場者以外の、日曜日に家族で博物館に来た若いお父さんお母さんにも「見える」位置でステージができるわけだし、ポエケット自体の集客にもそのまま繋がる。屋外だってかまわない。来場者にはプログラム渡すんだし、聞きたいステージは行って聞けばいいわけだ。全部のブース出 展者が聞ける環境は必要ない。次回はぜひそうしてほしい。

なんだかポエケットのレポートというよりは、「本気の」ブース出展者要望みたいになっちゃってるけど、もー売れなきゃしょうがないんです。一年かけて溜まった在庫がこのイベントで放出できて、また新しく詩人・版元さんに発注できるくらいのポテンシャルがこのイベントにはあるはずだし、また役割があると思う。初めてブース出して、売れたら絶対次も参加したくなるでしょ? でもただの交流じゃ広がっていかない。PJはなんだかんだ言ってもおかげさまで売れたし、イベントもあっという間に時間が 経つほど濃密なものだったけど(それはPJ掲示板の盛り上がり見てもあきらか)、「詩の世界をかきまわし」たいんだから。PJも本気ならポエケットも本気、僕だっていつものように、言うからには実行します。

「毎年七夕近くになると町の印刷所のスケジュールが、ポエケット用の印刷でみっちりだ」

そんなことをリアルにしたい。こういうのって夢じゃなくて、そうするにはどうすればいいのか計画立てればいいわけで、知恵出しあって実行すればいいだけの話。ロックンロールはこれからだ