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第三回東京ポエケット騒遊記

 背中を読みあうTシャツセッションリーディングと、リンゴをめぐる認識論パフォーマンスという前代未聞のコトが起こってしまったポエケットであった。筏丸けいこさんと radio days のふたりは、川江とヤリタが、ぜひみんなに見て聞いて体験してほしい、と思ってチカラ入れて出ていただいたゲストではあるが、予想以上にパワー全開だった。

 筏丸さんの伝説の詩「ダマスクバラのピンク色」は、なんべんも出てくる「オオムラコン」というフレーズでメガネを下げる、お茶目なアクションがステキ。東名高速をぶっとばすスピードで疾走するかと思えば、梅島ユーコトピアでおなじみのドラマーマツダさんや、コウジさんら、パーカッションの仲間たちが筏丸さんとコトバたちと一緒に飛び跳ねる、着ているTシャツ(wrench作者、着る詩集Tシャツ)を互いに読みあうという即興リーディングになだれこむ。間違え、つっかえ、読めない、テキトーに読む、書いていないのに読む、といった、予想外のインプロビゼーション。「空にうるわしのインモーう」など背中に掲載されたテキストを、5人で背中を流しあうセントウのように、連続して読んでいく。効果を意図してのハプニングスでないところが、チャーミングでユカイ。こんなにも無邪気に詩を遊ぶ人たち、初めてだわ。

☆☆☆

 次の radio days は、スルドイ感覚によるネタと構成が明確でネライもはっきり。かつ即興をとり入れつつ、であるからして、向かうところテキなし。「電波来ています」のラジオ放送から始まる、スネークマンショウのように濃い音声構成。ナカミの笑いと毒は、聞いた人すべてにわかるものではないところが、ラジデイらしい。口当たりがいいからといって安心してはいけません。笑いながら、奥歯で石ころをガリっと噛んでしまうような違和感をちゃんと与えられるところ、ソンケーしちゃう。聞き手に迎合しない姿勢、いいなあ。「りんご」の認識論がケッサクだった。哲学するりんごを買いたいし、赤いボールりんごに脱構築し、ニュートンりんごからりんご曲線を取り出してラジデイ解析にかけ、禁断木の実りんごからケータイりんごまでのりんごの歴史すべてをポエった大悪党は、里宗巧麻と山本拓海のふたり。現代詩なんてちっぽけな範囲を相手にせず、もっと革命を!!!

 さて、時間順に報告を。ブービートラップから青木栄瞳さん+あきたにじゅんじさん+堅田知里さん。青木さんの即興的ことばオリコミリーディングとわきたにさんの巨大な木琴(竹琴?)のパーカッションの呼応がワクワク。堅田さんの舞踏は「母の胎内にいたときの記憶」というフレーズとあいまって、とても不思議な視覚作用。堅田さんの透明な存在感が印象的でした。

 次に、意外とマジな大村浩一さん(この人は、ほんとうに受けのあたりとハズレのぶれかたがすごい)とカゲキな白糸雅樹さん(女の情念の迫力)のFPOEM。「さがな。」からは、琴生結希さんが出版したばかりの詩集「A WEEK」からスキャンダラスな男女の詩を、魚家明子さんが「逆ねじ魚類図鑑」から現代詩らしい分裂した感覚のなかにすっくりと立つ意味を、フレッシュに朗読。

 「はちょう」からは小笠原鳥類くんがカタロギングリーディング。図鑑や本をまわりにおいて、次々に手にとりながらの即興的朗読。「スルーザヴォイス」の安田倫子さんは、等身大の詩を等身大で読む、貴重な存在。場所や聞き手や外的要因に左右されずに自分の世界をちゃんと持っている。Rivさんは、「ついさっきまで犬でした」と、一挙に聞き手をひきつける。こういう思いっきりって大事なんだよね。エイヤッっていう呼吸ね。「プリシラレーベル」のふじわらいずみさんは近々アフリカに移住するそうで、「ガガンボ」など、独特のリズムの詩はしばらく見られないようです。

 参加者は、星屑倶楽部や柚口康晴さんら新しい出会いもあり、関西からは魚村晋太郎さんや寺西幹仁さん、広島の有名人一本指さんら、いつもながらにたくさんの人たちが来てくれました。アヴァンセの松尾さんのブースに座っていた、犬山猫さんと猫沢さんのカップルが手錠で手をつないでいて、スゴク、パンクでかっこよかった。初回からずっと応援してもらっている、先田さん、根本さん、関さん、海猫さん、ミメシスさん、神谷さん、沢田さん、中村さん、武石さん、楽しい仲間でうれしいです。

 で、終了後は、両国の地ビール打ち上げカンパイでした。こちらでの方が、詩をめぐる論議が活発であったようです。ギロンのはしはしを聞いていると、大学の文芸部以上に熱く意気盛んなコトバが飛び交い、めくるめくようでした。増川さんや森川さんら、ギロンの名手、有働薫さんのスルドイ感性など、ポエケットの本展よりも二次会開催の方が意義あるんじゃないか、というイキオイ。

 さてさて、第三回が終了して、「内輪」性が強すぎるとのご批判を多くいただきました。確かにそのような印象は否定できません。仲間を大切にしつつ、開かれた場として内容を充実させて、と、あれこれとたくさんのことを追いかけながらやってきました。仲間が増えるのはユカイだし、でも、オオマジメに、詩に対する姿勢で対立することだってあるわけで、ギロンあり、涙あり、友情あり、ディベートあり、の場でありたいと思います。第4回は、「オープンネス」を心がけて企画を内容一新といきますので、どうぞ、ご期待ください。また、ご意見もお待ちしています。では、次回、七夕の午後、詩とビールを楽しみましょうね。

ヤリタミサコ